現役人事部長の「採用研究室」

人事部長の「採用研究室」

採用面接に社員研修、査定評価まで…人事部という職場で日々思うことを書きます。企業の人事担当者、学校の就職支援課、就活する学生さんの参考になれば幸いです

MARCH未満の大学は大手に就職は無理なのか?

会社によって学歴に対する考え方が違うでしょうから、一言では言えませんが、

「多数の応募者から選ぶためには有効」

だと思います。

 

例えば、私の会社では早稲田大学卒がとても多いのですが、そもそも早稲田からの応募がとても多いので、書類選考の時点でかなりの人数の早稲田生が落選します。

早稲田生が数百名落選する一方で、日大や東洋大生が複数、選考通過しています。

結果として書類通過者を見ると、MARCH以上の学歴を持つ人が多くなりますが、最低条件ではありません。

 

《内定候補に残る確率》

簡単に言ってしまえば、個々の書類や面接の出来で先行しています。

が、万単位の応募がある場合は、とてもエントリーシートを精読できないでしょうから、

「難易度の高い大学出身なら、向上心や基礎能力は少なくとも平均以上あるだろう。高学歴でもダメな受験者は、この後の面接で落とせばいいや」

という考えから、大学名で足切りをしている可能性は高いです。

学歴差別をするつもりは全くありませんが、実際に選考を毎年やっていると、東大京早慶でダメなエントリーシートを書いてきたり、面接がD評価という人はたくさんいます。でも、優秀な人が少数でも必ずいます。

一方で難易度がそれほど高くない大学出身の受験生は、もちろんいい人はいますが、筆記試験や面接を重ねるうちに、最後面接に残る確率が「結果として」ほとんどゼロになるのです。

過去の確率から、「学歴足切り」を(効率よく)取り入れようと考える担当者がいてもおかしくありません。

 

《バランスのいいMARCH》

最近、同業の採用担当者と話していると、ハングリーで新しい発想をする社員にMARCH出身者が多いと聞きます。

私の会社も、MARCHに加えてG(学習院)と関関同立出身の若手〜中堅社員が、リーダーシップを発揮して目立っています。一人一人の仕事ぶりを見ると、彼らの特徴は

・部署や上司の指示待ち意識がなく、自分の判断で行動したがる

・新規事業や採用の面接官など、誘われると喜んで参加し、自分なりのイメージを持ってくる

などがあります。

「学歴に頼るつもりはないが(ある程度プライドは持ちつつ)、基礎学力がある」

というバランスいい面が、エリートコースが崩壊した今の時代にマッチしているのかもしれません。

 

うちも、もうすぐ内定者が決まる予定ですが、どんな逸材が集まるか、楽しみです。