出世したい若手は大歓迎
新型コロナのせいで若手社員の研修ができないので、最近は個別で、気になっている社員のヒアリングをおこなっています。
男性社員は私が、女性社員は人事部の女性部員が担当します。
《悩みに答えない》
入社後の3年間くらいはガツガツ仕事をしていて、周囲からエース候補として注目されていた社員も、4〜5年目で「踊り場」感を出すケースがあります。
仕事のマンネリ感や、上長による評価への不満、無力感(自分ばかりこんなに大量の仕事をしているのに上司や他の部署の人は頑張っていない…など)、仕事自体への疑問(自分の仕事は世の中の役に立っていないのではないか)などなど。
話をを聞いていると、そんな悩みが出てきます。これに対して、私はなるべく答えを言わないように心がけます。共感はしますが、話しながら整理してもらい、今後のキャリアを考えるきっかけにしてもらうのが理想です。
自分で考えた道を選ぶ方が納得して動けますからね。
《部長になりたい》
若手に目標を聞いても、出世したいという人はほとんどいません。むしろ出世して面倒な管理業務をすることは、向いてないしやりたくないと言います。
本当は出世願望があっても、言葉にするのが恥ずかしいという人もいると思いますが。
一方で、入社時は「部長になりたい」「仕事の方向を決められる立場に早くなりたい」と主張する新入社員が少なからず出てきます。今年も半数程度いました。
人事部としてこれは大歓迎です。出世(上昇)思考の高い社員は、成果を上げるエースに成長する確率がとても高いです。
(プライドばかり高くなって「厄介社員」になるケースも少しあります)
先日ヒアリングした5年目社員Aも、入社前から
「ガンガン成果を上げて、誰よりも早く部長になりたい。部長になって大きな仕事を手がけたい」
と話し、実際に配属後はエース候補として目立っていました。
しかしここ1、2年は話題に上がることも少なくなっていました。タイミングを見て話しかけてみると、先ほど書いたような無力感やマンネリ感、さらに家族の事情も重なって、モチベーションが下がっていました。
どうしたものかと考えていた矢先、5月に同じ部署に新入社員が配属されたのですが、その新入社員がAの部下になったのです。
Aの上司である部長はきちんと見ていました。
これによりAはモチベーションを上げ、以前のように積極的な提案をするようになり、さらに周囲もいい影響を受けていると聞きます。
以上の話は一つの例ですが、停滞している社員も、何かきっかけがあれば蘇ることを実感し、人事部としてまだまだできることがあると考えさせられました。