そもそも新卒採用は必要か?
お題に対する私の答えを先に書いてしまうと、必要だと思います。
ただし、それぞれの会社の規模や状況によって違います。
同規模の同業他社では、新卒の採用はおこなわず、第二新卒や中途採用に特化して、ポストによってはスカウト会社を使っている会社があります。
実際、新入社員がある程度の戦力になるには、少なくとも3年はかかりますので、経験者のみを採用するのはとても合理的です。
ちなみに、人によりますが、女性の新卒社員の方が即戦力になりやすく、最近では2年たたずに主力の一人になるケースも出ています。
男性の新卒社員は概して子供っぽくて背伸びする人が多いのですが、失敗を繰り返して一皮剥け続けてスター社員に化けるケースが少数ながらあります。
《新入社員が来るという空気が重要》
私の会社も、今年の新卒採用は止めて、経験社採用にしようという意見が、役員クラスから出ました。
その考えは合理的で、断固反対というわけではありませんでしたが、私は「規模を縮小してでも新卒採用を続けたい」と主張。議論を繰り返した結果、面接官の人数や採用工程を縮小し、採用人数も例年より絞った上で、新卒採用を継続することになりました。
じつは私が人事部にくるだいぶ前に、業績不振のために新卒採用を止めた時期がありました。そのときの会社の雰囲気は、業績のこともあるでしょうが、最悪になっていました。
新人歓迎会も一切おこなわれず、若手社員は後輩ができないので仕事を教える機会もなく……。
その後、採用を再開するようになっても、以前の半分以下の人数しかエントリーしてもらえない期間が続きました。そういった経験を経て、新入社員が入らないことがこんなに活気を失わせるのか、と実感させられました。
今年の4月に入社した新入社員が、研修を終えて6月1日に本配属になります。
配属される部署はどこも嬉しそうで、「うちは忙しいから教育が面倒だ」などと言う部長も、言葉とは裏腹に席替えやら名刺作りなど、マメに動いてくれます。
(今年は残念がら歓迎会はできませんが)
人事部は先週まで、新入社員の配属準備と、来年の採用選考が重なって、もうリモートワークどころじゃない騒ぎでした。
にもかかわらず、明るい仕事は苦痛にならないもの。10月におこなう新入社員の「配属4カ月後研修」で、逞しくなった姿を見るのが楽しみです。