現役人事部長の「採用研究室」

人事部長の「採用研究室」

採用面接に社員研修、査定評価まで…人事部という職場で日々思うことを書きます。企業の人事担当者、学校の就職支援課、就活する学生さんの参考になれば幸いです

人事部長の採用反省会

先日、ようやく内定を出しました。

内定を伝えたあと、水面下でいろいろ駆け引きがありましたが、ひとまず全員が辞退せずに入社予定とのこと。

内定者が確定した日の夜は例年、人事部メンバーで打ち上げビールパーティをするのですが、今年はもちろん新型コロナでNG。スッキリしできません……。

 

〈人事部長は「内定を出してから」が緊張〉

私の会社の同業他社も、大方が内定を出したようです。

「人事部長の採用反省会」と称して、7月から8月あたりに集まるのが恒例です。今年は人数を絞って、アルコール抜きで細々と開催。

そこで必ず話題になるのが、辞退エピソードです。多くの会社では、人事部長か採用チームのリーダーが内定者に電話で伝えるケースが多いですが、この電話は、おそらく受験者並みに緊張しています。

それは、内定を伝えた直後に辞退を言い出したり、他社の話をし出す人が多いからです。

 

ある会社でも今年辞退者が出たのですが、ちょっと珍しい嘘をつかれてひどいめにあったそうです。

通常、内定を出した瞬間に、

「じつは他社の最終面接が○日にあるので、待ってもらえませんか」

と言い出すことは、人事にとっては想定内ですし、今さら怒ることも慌てることもありません。

しかし、その辞退者は

「必ず御社に行きます。受験中の他社はすべて辞退しました」

と言っていたにもかかわらず、数日後にまさかの辞退連絡をしてきたそうです。

もう内定も出ているし、そんな嘘つかなくても……という気持ちになりますが、おそらくその内定者にとっては、「本当のことを言って取り消されたらどうしよう」という必死の演技だったのでしょう。

 

あ。もちろんこの反省会では、受験者の個人情報や特定されるようなエピソードは、お互い話しません。

就活中の皆さんはご安心ください。

新しい経験を皆で共有して、いざというときの対応策を勉強し合うための集まりですし、本質的にはライバル同士ですので。