現役人事部長の「採用研究室」

人事部長の「採用研究室」

採用面接に社員研修、査定評価まで…人事部という職場で日々思うことを書きます。企業の人事担当者、学校の就職支援課、就活する学生さんの参考になれば幸いです

指導社員とうまくいっていない場合

新入社員が本配属になってから、しばらく経ちました。例年ここで、人事部は15分程度の軽いヒアリングをおこなっています。

 

今年もさっそくヒアリングしましたが、一人一人反応が違っておもしろいものです。

「上長や先輩から毎日怒られているが、どれももっともな話なので勉強になっている」

「先輩たちは皆さん、少し聞いただけでも丁寧に教えてくれて、温かい環境」

「自由に意見させてくれるのでありがたい」

などなど。毎日怒られるといっても、愛のあるダメ出しと受け止めているのであれば、ひとまず様子を見て、と考えています。

そんな中で一人、モチベーションが下がり気味の発言をする新入社員がいました。

「指導してくれる先輩自身が仕事のことで悩んでいるようで、私にまで異動したいようなことを言ってきます。一方で、別件で他の先輩に作業のやり方で相談する機会があったのですが、わかりやすいだけでなく、その仕事の意味や先の展望についても語ってくれる人で、正直、こういう人の下で仕事をしてみたいと思ってしまいました」

と言います。

人事にこう言った話をする点は、まだ新入社員だなと感じますが……。

それにしても、初期段階でこういった悩み(不満)を感じさせるのはまずいです。

指導社員にはどう話すか、もしくはもう少し見守るか。

新型コロナでちょっと飲みに行ってそれとなく話すようなことが難しく、人事としては悩みどころです。

 

じつはその指導社員とは、以前いた部署で一緒に働いた経験もあり、時々飲みにいく仲でもあったので、ひとまずメールを送りました。

内容は、

「指導社員になったそうで、うまく面倒みてあげてください」

「私も経験しましたが、ぶつかったり悩んだりする経験は貴重なので、逃げずに向き合えば必ず財産になります」

といったもので、先ほどの新入社員からの話については伝えませんでした。

 

その後返信があり、

「まさに悩んでいるところですが、前向きに頑張ります」

とのこと。

これで解決するわけではないでしょうが、新入社員のほうも、優れた先輩でないからといって、同じ人間になるわけではなく。

むしろ、いろいろなタイプの先輩を観察して、自分に合った部分をいいとこ取りしていくのが、優秀な社員の成長過程です。

 

とはいえ、リモートワークが増えている今、新入社員に限らず、若手のメンタル面の観察は本当に重要です。

(だから人事部はリモートワークがほとんどできないのですが)