現役人事部長の「採用研究室」

人事部長の「採用研究室」

採用面接に社員研修、査定評価まで…人事部という職場で日々思うことを書きます。企業の人事担当者、学校の就職支援課、就活する学生さんの参考になれば幸いです

仕組まれたマナー研修

先日、同業の人事部長の紹介で、社員研修を請け負う会社の営業マンと話を聞きました。

 

話の中で特におもしろかったのが、新入社員向けのマナー研修について。

メニューとしては、名刺の渡し方や電話応対、メールの作法など、オーソドックスな内容でしたが、営業マンによるウリは、

「必ず“事故”が起こるんです」

とのこと。

 

例えば、上司と同伴して得意先に挨拶に行くというシチュエーション。

応接室で名刺交換を済ませたところで、上司役のスマホに電話がかかってきて席を立ってしまいます。その間、初対面のクライアントと雑談をしなくてはいけない状況に……。

とか、

自席に外線電話がかかってきて、上司に取り次ぐ予定だったのが、上司役は他の電話で長話中。自分がそのままクレーム対応をしなくてはいけない……。

といった、予定にはなかった“事故”が起きた状態でアドリブ対応を試されるというのです。

その前の講義では、定型の所作や言葉を習い、そのとおりにすればOKと思っていた新入社員は、大体固まるそうです。

こういったアクシデントを体感することで、「現場は常に変わる」ということを学ぶのはもちろん、新入社員が互いの反応をみることで、大いに盛り上がり、打ち解けるそうです。

 

ちなみに、新入社員にマナー研修でいちばん苦戦したことを聞くと、ほとんどが「電話応対」で、「メール作法」は概ね慣れているそうです。

 

リモート研修となると、同じようにするのは難しいかもしれませんが、うちの会社も来年4月の新入社員研修では、何かしらの“事故”を起こそうかなと考えています。