上司のダメな態度
「自分の仕事の重要性が感じられない」
ある職場でのことです。
入社してまだ数年の若手たちに、モチベーションを下げさせる上司の態度について自由に話してもらったところ、つぎのような発言がありました。
「上司から命じられた書類を作成して、上司のもとにもっていったら、『今忙しいから、そこに置いといて』と言われ、上司の机の隅に置いて、自分の席に戻り、通常の業務に戻りました。後で何か言ってくるだろうと思っていたんですけど、何もなく、翌日も、その後もまったく何も言われません。それで、結局どうでもいい仕事だったんだなって思って、あれ以来、何だかやる気を失ってしまいました」
すると、別の人物がつぎのような発言をしました。
「私も同じような経験をしました。自分が担当している営業活動の現状と問題点を整理して上司に報告に行ったんですけど、忙しいから手短にと言われ、こちらの報告に生返事をするだけで、まったく関心ないといった感じだったんです。それまでは結構張り切っていたんですけど、やる気が急にしぼんじゃいました」
そうした発言を受けて、自分も似たような経験があると、何人もが自分の経験について語り、盛り上がりました。
上司が忙しいのは事実なのでしょう。
そして上司が取り組んでいる仕事と比べて部下の仕事の重要度が低かったり、緊急性が低かったりすることは実際あるのでしょうけれど、部下にとっては大事な仕事なのです。そうした心理面への配慮が足りないと、従業員のモチベーションは下がってしまいます。
《モチベーションを高める職務特性》
重要度の他にも、考慮すべき点はいくつかあります。
たとえば、仕事があまりに単調だとモチベーションは上がりません。何の役に立っているのかわからない場合も、モチベーションは上がらないでしょう。言われた通りにやればいいだけというのも、簡単ではあるものの、モチベーションは上がりにくいでしょう。
成長欲求の強い人は、充実した仕事に就くことによって満足度が高まり、パフォーマンスも上がります。
中には自信がなく、責任をもたされたり、任されたりすることで、気持ちが燃えるどころか、不安によって萎縮してしまう人もいますが、ちゃんとサポートしてあげられれば、単調な仕事をするだけよりはモチベーションが上がるはずです。
管理職研修はどこの会社でもおこなっていますが、個別でこういった現場の生声を伝えることも平行することが重要です。