同期の存在価値
私の会社では、来年4月に入社する内定者を、2カ月に1回程度出社してもらって、いろいろな研修をしています。
同業他社では、毎月1回出社というところもありますし、新型コロナの影響もあって、zoomによる研修をおこなったり、課題を定期的にメールで送らせる、というパターンもあるようです。
私が今の会社に内定をもらった20数年前も、同じように定期的に会社に呼ばれていました。
ただ、いろいろと”ゆるかった”時代ということもあり、拘束される日数は、授業に影響を与えるほど多かったです。
(その目的は、内定者の教育というよりも、他社に行かれることを防ぐためでした。今の時代から考えると、ホントいい時代ですよね)
それでも、今だによかったことがあります。
内定の頃に作られた同期との関係は、40代になっても、むしろ部長職になってから特に、私を助けてくれています。
私は、内定者研修で会社に行った日だけでなく、月に数回は、気の合った内定者同期と朝まで飲むようになりました。
学校の同期とはまた違った、同じ会社を選んで、さらに入社するという共感は、楽しいものでした。
4月に入社すると、多くの会社は1〜3カ月程度の新入社員研修をすることが多いです。
この時期も同じように交流できますが、会社によっては各部署に散らばって実地研修したりするなど、同期で話せるタイミングが作れないケースもあるでしょう。
さらに配属されてしまえば、集まるタイミングは年に数回になります。
いつも同期が仲良くなるとは限りません。実際、私の1代上は入社当初から同期の仲が悪かったらしく(笑)、同期会を開いたことが1回もないそうです。
それはそれで自由だと思いますが、私は幸い、20年以上信頼し合える同期が4人ほどできました。
そのおかげで仕事にいい効果があったので、内定者たちにはその話をしています。
40歳を過ぎると、なかなか本気で注意してくれる仲間はできません。耳の痛い忠告をしてくれる人も減っていきます。
特に仕事に関する話は、学生時代の友人では細部がわからないので、異なる意見を言われても素直に納得できない時があります。
(逆にいいこともありますが)
同期のほとんどが部長職になった今、助け合える機会が増えました。
それまでは、部署の中でやりたいことや変えたいことが出てきたら、自分の上司と相談して、物事を変えてきました。
部長になると、他部署とのやりとりになります。それぞれの部長は、自分の部署の事情を優先し、主張することが増えます。多くの部員の立場を守るため、仕方ないところがあります。
でも、自分の部署レベルで最適化を図っているようでは、会社は衰退します。
そんな時でも、同期で腹を割った話ができる関係があれば、自分の周りの損得を超えて協力し合えます。
今年の9月も内定者の研修がありました。
関西在住の内定者がいるのですが、前日からホテル泊で(本社がある)東京に来ているということで、研修前日に集まって飲んだようです。
そこでとても打ち解けたようで、翌日の研修では、人事メンバーが驚くほどスムーズにグループディスカッション課題をこなしていました。
じつは、入社5年目あたりに、上司の性格や同期の間の実力差が見え出したところで、また新たな分断危機が起きるのですが……それはまた別の機会に。
内定者や新入社員の方は、純粋で前向きな今こそ、信頼できる同期を作ってください。