現役人事部長の「採用研究室」

人事部長の「採用研究室」

採用面接に社員研修、査定評価まで…人事部という職場で日々思うことを書きます。企業の人事担当者、学校の就職支援課、就活する学生さんの参考になれば幸いです

非常事態宣言下の対面面接

東京や大阪をはじめとする地域が、新型コロナウイルスによる事情事態宣言を実施してから1カ月が経ちましたが、ここで更なる延長が決定しましたね。

このタイミングは、各社の採用担当者も頭を悩ませたのではないかと思います。

 

《リモート面接か、対面か》

私の会社も、まもなく面接を実施する予定ですが、「対面での面接予定だが、リモートにも切り替えられるように機材を準備」という体制にしています。

ゴールデンウィーク前にリモートで一次面接をおこなった同業他社も、「二次からは対面」と皆言っていました。

しかし、連休が明けた6〜7日にかけて各社の採用担当者がお互いに連絡を取り合いながら、どうするかの情報収集をしていました(私も)。

一部、社長や役員が慎重な会社は、早々に「最終面接までは全てリモート面接で」と決めていましたが、ほとんどが【対面での面接+リモート準備】と考えているようです。

 

私の会社は、対面面接にする代わりに、1部屋の面接官の人数を減らすことにしました。これは感染防止策でもありますが、もう一つプラス効果を狙っています。

 

《なぜ? を重ねて深く突っ込む》

面接官が多くなると、面接官同士が遠慮し合って、重ねて質問をしないケースが出ていました。

例えば、アルバイト経験を尋ねて受験者から

「バイトリーダーを務めたことでコミュニケーション力がつきました」

というような答えが場合、具体的なエピソードくらいは重ねて聞くのですが、さらに突っ込んで、

「なぜその決断に至ったのか? その提案が思いついた過程で何を考えたのか?」

といった深い思考を聞くことなく、次の質問に移っていたことに、もったいないなという気持ちがありました。

質問を重ねて突っ込むと、ボロを出す、とまでは言いませんが、じつは何も考えずに行動していたのか、適応能力が高い人なのか、が見分けられると考えています。もちろん説明能力も判断できます。

 

今年は図らずも、面接官の人数を絞ることになったので、上記のような「なぜ? なぜ?」を重ねる方式で、どこまで内面に踏み込むことができるのか、試してみたいと思っています。