現役人事部長の「採用研究室」

人事部長の「採用研究室」

採用面接に社員研修、査定評価まで…人事部という職場で日々思うことを書きます。企業の人事担当者、学校の就職支援課、就活する学生さんの参考になれば幸いです

面接官は評価シートに何を書いているのか

前回の記事で少し書きましたが、私の会社の採用面接では、面接官は受験者の名前が並んで記入された評価シートが配られます。

名前の横には空欄の枠が2つあり、1つはA〜Dの評価を記入する場所。

もう1つが、面接中に感じたことや、受験者が話したキーワード、合格不合格を決めた理由などを自由に記入する場所です。

 

《印象は5秒で決まる》

自由に印象を記入するスペースに、どんなことが書かれていると思いますか?

受験者が話したアルバイトのこと、サークルで頑張った話、志望部署……も書かれていますが、

・エピソードに具体性がない

・自分に自信がない人

・ストレス耐性なさそう

・時事ニュース知らない。好奇心ない

・笑顔が自然でいい

・返事が爽やか。クライアントに好かれそう

・真面目そうだけど嫌味ない

・頭いいのはわかるけどウチの会社には合わなそう

などなど

面接の返答を聞きながら、感じたことを記録しています。

そして、自分で書いたコメントをもとに思い出しながら、受験者を比較して評価をつけています。

面接攻略本で散々言われていますが、やっぱり、返答の内容よりも答え方、そして印象が重要なんですよね。

 

私が就活していた頃(20年前)は、面接官の質問に対して、まずは間を開けずに返答! 内容が多少薄くても、臨機応変さをアピール。

という傾向があり、私自身もテンポ重視で返していましたが、今面接官をしていると、重要な質問には10秒程度真剣に考えてから、真面目に答える受験者の印象がいいなと感じています。

これは面接官によって違うのでしょうが、今年の評価を見る限り、時間をかけて答える学生の評価はおおむね良かったです。

とはいえ、どの質問も時間をかけるようでは頭の回転が悪そうに見えますし、1問に30秒もかけるようでは、次の質問に飛ばされてしまいますので、ほどほどに。

 

《基本は受験者のいいところ探し》

面接官のコメントには、厳しいことも書いていますが、基本的には「いいところを引き出す質問をしてもらって、プラスな点があると思ったら次の面接に進めてください」

と面接官に伝えています。

最終面接は、入社の可否を決める場所なので、厳密にはいいところだけ見ているわけではありませんが、少なくともそれ以前の面接では、自分が他人から褒められるところを、はっきりとアピールしてください。