現役人事部長の「採用研究室」

人事部長の「採用研究室」

採用面接に社員研修、査定評価まで…人事部という職場で日々思うことを書きます。企業の人事担当者、学校の就職支援課、就活する学生さんの参考になれば幸いです

OBOG訪問で「いい」質問

《もったいないを減らそう》

就活の序盤、OBOG訪問をする方も多いと思います。

そこで先輩に聞く質問は、人それぞれ。

「休みはどれくらい取れるのか」や、

残業代、福利厚生について聞くことは、そのOBOGの印象が下がるので良くない、という意見もありますが、私は問題ないと思っています。

でも、それがメインの質問ではもったいない!

 

《OBOG訪問の目的を決めておく》

入社してから、「自分にはこの会社は合わなかった」というミスマッチを防ぐことが主目的なら、福利厚生の話も大事でしょう。

でも、そもそも入社できるか決まってもいないのですから、入社できるための情報を入手することが最優先です!

こんなこと当たり前でしょ? と思う方も多いでしょうが、じつは、ほとんどの受験者はOBOG訪問でいつの間にか、入社後についての質問がメインになってしまいます。

おそらく、先輩と会話している中で、ガツガツと採用試験に通るための質問を重ねるとウザがられるのではないか……と遠慮してしまうのではないかと感じています。

遠慮していてはもったいない!

話し方に失礼がなければ、会ってくれている時点で目的は理解しているのですから、限られた時間に目一杯、書類選考や面接で使える、合格できるための話を仕入れてください。

 

私なら、

「先輩は何年目の頃がいちばん仕事で充実していましたか? そのときの仕事内容と、印象に残っている理由も」

「仕事で一皮剥けた体験」

「社内でいちばんのライバルについて」

「御社の若手のエースと呼ばれる社員はどんな人で、どういった言動が評価されているのか

あたりを細かく聞きますかね。

 

面接では、「上記のような話を御社の先輩から聞いて、自分が働いているイメージができました。その理由となる経験として……」

という流れに使うこともできるでしょう。

これらの質問は、合同説明会などで聞いても問題ありませんが、大人数の中で細かく聞くことは難しいので、できれば1対1で質問できる機会にした方がいいと思います。

 

《面接で使える話をわらしべ長者的に》

OBOG訪問する人数は、本命の会社なら3人くらいおこなうのが効果的です。

複数の社員を訪問したことは、面接で話すことがあれば本気度を感じてもらえるかもしれません。

(ただし、自分からこれ見よがしにOBOG訪問したことを面接でアピールするとウザがられるかも。聞かれたら答える流れのほうが、価値が上がります)

複数の先輩から話を聞くと、1人から聞いたエピソードを引用して、別の先輩に質問することにより、使える話が磨かれます。

例えば、最初にあった先輩から「若手エース社員の話」を聞いたとして、別の先輩にも同じ質問をすると、違ったタイプのエース社員の話を聞くことができるかもしれません。

複数のエースたちの共通点を見つけることができれば、面接時に自分のエピソード(部活やバイトなど)を話す際、アピールすべきポイントを的確に掴めます。

 

ただし、同じ会社で4人以上のOBOG訪問は、労力に対する効果が低いでしょう。

それならむしろ同業他社のOBOG訪問をして、比較した感想を持っておくほうが価値があると思います。