エントリーシート改善実例(②性格編)
エントリーシート(ES)の項目で、ガクチカと同じく定番なのが、
『あなたの性格(または長所)を書いてください』
まずは2本の模範例を見ていただきましょう。
模範例①
高校時代にダンス部の部長を務めたときのこと。当初はモチベーションが低い部員を信用できず、独善的な態度で部内に亀裂を生じさせてしまった。私はそこでチームの価値を真剣に考え、組織とは価値観や個性が違った人たちが集まり、協力することに意味があることにようやく気づいた。それからは、PCが好きな同期には音楽編集を任せ、デザインが得意な後輩には衣装を頼むなど、メンバーにどんどん任せるようにした。すると、一人一人が自然に責任感を持つようになり、結果、高校ダンス選手権で入賞することができた。順位以上に、部員が本当の意味で一丸になれたことが、私にとっては大切な経験だ。
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ESは自分を志望企業に売り込むための書類である以上、多かれ少なかれ自慢話になります。
でもこの人のように失敗をやらかしてから、反省し学んで成長するエピソードは、人事も評価しやすい。ドラマや漫画の主人公のようです。
続いて、模範例②
他者の良いところを見つけることが得意だ。相手が何を考え、何を大切にしているかを観察することで、良いところは見つけられる。企業のアプリ制作コンテストに、4人1組で参加した時のこと。アイデアが豊富で自由人なメンバーと、実務能力に優れ現実的なスケジュールを重視するメンバーがいた。私は間に立って、双方の良い点を組み合わせることに注力した。その際、ただまとめるわけではなく、時には突飛なアイデアを却下したり、逆に無茶を通したりと、真剣にぶつかっていった。その結果4人は一致団結し、優秀賞を獲得することができた。
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この方は、人の間に立つ調整役に自信があるという話をしています。
短い文章ですが、人が好きなところが伝わってきます。
上記の2本とも、最終的に賞をもらうという結果を残していますが、これはなくても評価が下がることはありません。人事は受験者が考え、動いたことでまわりにどんな影響を与えたか、それだけに興味があります。
ここからは、逆に”残念な”例をお見せします。
残念例①
私は自分のことを忍耐強く、目的を達成させるために根気強く努力し続ける性格だと思います。困難なことが起きてもあきらめず努力するためか、いろいろな人から重要な仕事を任されることが多いです。例えば、先輩からサークルの部長に推薦されたり、大学院に入学してすぐ論文発表会の代表に選ばれたり、いずれも最後まで投げ出すことなく、期待に応えるべく努力をし続け、完遂させてきました。
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自らを努力家と言い、友人も言われるというが、どのように努力家なのかが一切書かれていない。部長になったことでなく、なぜ部長に推挙されたかのエピソードが聞きたいですよね。
もう一つ、残念例②
私は社交的な性格です。インターンなどで初めて会った人たちと仲良くなり、そこから定期的にご飯に行く仲になることや、友人の多くから話がしやすいと言われることから、初対面の人との距離の詰め方や、人の話の聞き方が長けていると言えます。ただし、距離の詰め方を短くし過ぎて敬遠されたり、人付き合いが苦手なか方から嫌われることもあるので、気をつけながら人と接するように気をつけています。
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文章からは、おそらく気さくで人付き合いがいい方ということが感じられますが、ESとなると厳しい評価になります。なぜ友人から話がしやすいと言われるのか、人との距離の詰め方で、どんなときにどんな心配りをしたのか……。わかりません。
人事は、説明能力も含めて評価します。
《わかりやすいエピソードを必ず添えて》
模範例と残念例を読み比べていただいて、大きな違いが伝わりましたでしょうか。
売り込みたい点(好奇心が旺盛、他人から信頼される、人と人を繋ぐのが得意、など)が決まったら、それが読み手に伝わるようなエピソードを必ず入れてください。
わかりやすくするためだったら、多少シチュエーションを変えても、嘘にはならないと考えてもらっていいです。
長所がきちっと伝われば、内定はかなり近づきますよ!